本田健
Takeshi Honda
1958年山口県生まれ。岩手県在住。
20代に3ヶ月間ヨーロッパ各地を巡った後、岩手県の遠野に定住、日本の山水を描こうと決める。1990年代より《山あるき》と題するチャコールペンシルで描いた一連の作品を発表。本田は遠野の里山をときには10時間以上歩きまわるといい、山を歩く行為と描く行為が強く結びついている。そこで遭遇する光景が作品の主題になり、極めて緻密に仕上げられる表現でありながら、ときには全長8m近い大作として展開される。人と時が作り上げてきた風土というものを、あえて画家の自我や個性を排除してありのままに写し出すことを試みてきた。
本田作品は今まで岩手県立美術館(2002年、2006年、2013年)、熊本市現代美術館(2003年)、ミネアポリス美術館(2000年、米国)、ドローイング・センター(1999年、ニューヨーク、米国)等、国内外美術館で紹介されている。現在、平塚市美術館にて開催中の「市制90周年記念 リアル(写実)のゆくえ 現代の作家たち 生きること、写すこと」に出展している。(6月5日まで)